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新連載 [日記のような小説]

「朝永君!」
「はい」
耕平に声を掛けられると朝永は思わず緊張するらしい。
そんな朝永の脇を聡子がツツイテ笑った。
「この後、何か予定がある」
「いえ、別に」
「じゃあ、矢車のこずえさんに逢いに行くから付き合ってくれないか」
「はい、おともします」
「パパ、私は?」
「一緒においで」
「あのうるさいのが寝てからでしょう」
「そう」
そのうるさい翠は盆に沢山の皿を盛って恵里子と一緒に戻ってくるところだった。
「パパ、パパ、朝永さん、これを食べて見てください、ママも美味しいと感激、ねッ ママ」
「美味しいのよ」
「ママ、クリームは片づいたの?」
「へっへっ、お姉ちゃん、ちゃんと付けましたよ、大学に行く前に消えてもらわないとこまる」
「どうして大学に行く前なの?」
「アン・シャーリーの雀斑がそうだったからですよ、パパ美味しいですか?」
「うん、美味しい、これは傑作だよ」
「フフフ、よかった、お姉ちゃん、お式の準備は進んでいますか、私たちは着々ですよ」
「あなたのことはわかるけど、私たちって?」
「お姉ちゃんと朝永コーチのお式ですからね、サッカー部は全員参加にその他、自主参加多数ですよ」
「・・・・・・・・」
聡子は黙った。
はじめに朝永と描いていた小さで簡素な結婚式イメージが恵里子の
“お式にはお招きいただけるんでしょうね、楽しみにしています”
とおっしゃる方が大勢いらして、ですからね失礼のないように皆さんお招きしましょうね。
この一言に始まり、今の翠の言葉で微塵に打ち砕かれて行ったからである。
ようやく気を取り直して聡子は
「式のことでパパに話したいことがあるの」
隣の耕平に言った。
「わかった」
と耕平は言ってから
「式のことはママと翠、それに祝ってくれる人達にませておきなさい、二人は神輿に乗っていればいい」
「でもいくらかかるか見当もつかなくなって・・・」
それには答えず耕平は聡子の頭を優しく撫でた。


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