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新連載 [日記のような小説]

佐藤が叫んだ時、翠の姿は無かった。
入ってくる聡子と朝永を見つけた翠は北風のように二人に迫っていた。
「お姉ちゃん!
いつ来たの?」
「今」
「もっと早くくれば試合が見れたのに」
「点を取らないフォワードの活躍をかしら」
「それを言わないで・・・」
「少しは気にしてるの?」
「ぜんぜん、今晩は朝永コーチ
「今晩は、ご馳走になりに来たよ」
「沢山めし上がってくださいね」
「ありがとう」
「パパとママ達の処へどうぞ、料理はすぐに運びます」
料理を取りに行く翠の後ろ姿を見ながら聡子が言った。
「ほんとにあの娘、気にしていないみたいね」
「今日の試合には点を取ることとは別の課題があったのだろう、天皇杯となれば香苗君と翠ちゃんへのマークはこれまでとは比べ物にならないからね」
「ねえ、そのことママには云わないで」
「わかっている」
朝永が言った時、恵里子が声を掛けた。
「聡子さん、お式の準備はどうなっているの?」
「ぼつぼつ」
「そうね、それが良いわ、葉山のお部屋はそのままにしておいてね、いつでも帰ってこれるでしょう」
「ええ、まあ」
「ねえ、聡子さん、翠ちゃんのソバカス(雀斑)気にならなかった?」
「ちょっと薄くなったみたいだけど」
「そう、あなたもそう思う、よかったわ」
“そうだ、翠ちゃんクリーム付けたかしら、チョツト聞いて来ますね”
翠の事になると恵里子はキャリアウーマンでもなければ弁護士でもない、まして歌人でもなかった、ただの親馬鹿である。
「あの娘の雀斑は可愛いんだから気にすることもないのに」
聡子がつぶやいた。


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