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新連載 [日記のような小説]

紅葉台サッカー部は合宿が終わった日の夕食にお世話になった人々を招いて“またお会いしましょう、夕食会”を開く。
準備は部員全員で当たる。
別れは寂しいがこの日を楽しみにしている人も少くない。
秋山豊作夫妻もそうした人の一組みだった。
“秋山のおじいちゃん”
といって翠が何くれとなく親切にしてくれるのがこの頃の豊作には何物にも替え難い楽しみになっていたのである。
この夜も豊作夫婦の前には翠手作りの年寄の口に合う料理が並んでいた。
「このコンニャクの和物、美味しいですよ、おじいさん」
たくさんは食べない年寄にとって小鉢に種類の多いのが嬉しい。
ここではそうした配慮がなされている。
豊作の前には酒もあった。
喜楽酒造特製の清酒で豊作と言えどもなかなか手に入らない物だった、この夜のために館内が特別に配慮してくれたのである。
もっとも紅葉台のサッカー部は田植と稲刈りをしているからそれくらいの権利はあるといえばあったのだが・・・・酒に関心のない彼等にはあずかり知らぬことだった。
子供たちにはカレーが配られた。
“お母さんのカレーも美味しいけど、紅葉台のはもっと美味しい”
と子供たちが言い、母親を悩ませているカレーである。
喜楽主催の料理教室に通って腕には自信のある母親たちが首を傾げ
“みんなで食べるからよ“
“なでしこがいれば私たちでも美味しいでしょう“
ということで納得しているカレーである。
子供たちの上前をはねて食べて見るとやはり美味しい。
どことはっきりいえないが俗に言う
“一味違うのだ”
作り方を聞いても変わったところはなかった。
「でも、やっぱり美味しいわ」
それが共通の結論だった。


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